さて、今日観た映画の主人公は・・リティ似!

映画が終わって22時20分すぎ、外は大雨(T.T)。いい映画を観たあとで気持ちが落ち着いていたので雨でもいいか〜って感じだった(笑)けれど家まで走った。びしょ濡れ・・クリーニングしたての上着もスカートも全部洗濯機で洗濯したわ(;_;)。
善き人のためのソナタ」凄くよかった!!!!この邦題もいい!私は原題「DAS LEBEN DER ANDEREN(あちら側の人々の生活)」より好きかもしれない♪
『ドイツの空のように地味で暗い色調ですが、なかなか逸品』と聞いていたので期待していた、その通りとても逸品、美しい映画だった。寡黙な主人公(リティ似!!)ヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)の気持ちの表現も私はあれでいいと思った。あの表情を変えることにない寡黙さが旧東ドイツのあの時代の空気の重さにあっているようで・・。でもその変わらない表情がたまに微妙に変わるのよ、安らかな顔に。
東ドイツ国家保安省局員のヴィースラーは、反体制の証拠をつかむために劇作家ドライマンの家を監視。盗聴器を通して知った自由、愛、文学、音楽に影響され、自ら壁の向こうの世界を開いてゆくサスペンス・タッチのヒューマンドラマ(ギンレイのリーフより)】
そうなんだけど・・私は、ヴィースラー大尉は初めて劇場でドライマン(セバスチャン・コッホ)の姿を双眼鏡で見たときに、ぜったい興味をもったんだと思う(好きに・・自分と違うタイプへの憧れ)。そう思ったのは途中からで、主人公自身も途中まで自分はそうじゃなくて任務のためにと盗聴をしているんだって心に言い聞かせていたんじゃないかなって思った(←すごい妄想)。
ドライマンの尊敬するイェルスカが亡くなり、イェルスカにプレゼントされた「善き人のためのソナタ」の楽譜でピアノの弾くんだけど、そこで『この曲を本気で聴いた者は悪人になれない』とレーニンが言ったとドライマンが一緒に住んでいる恋人に語るセリフがある・・。その曲を盗聴していたマイクを通し聞いたことで人間としての心を思いだし・・とも取れるんだけど、そのシーンを堺にドライマンに“つくす人”に変わったのは決定的(←私の感想よ(^_^;))。その後、エレベーターで乗りあわせた少年との会話は、私がすごく好きなシーン。「おじさんはシュタージ?」シュタージは友だちを殺してしまう悪い人だとお父さんが言っていたと少年が言われ「名前は?」と聞くヴィースラー。今までの彼なら「ただじゃおかない」とその父を捕まえ尋問するためなんだけど、このときは違った。「ぼくの名前?」と少年が言うと「ボールの名前」と言い変えるヴィースラー・・恋に堕ちたわね(笑)。もうひとつドライマンの部屋に忍び込み「ブレヒト」を持ち帰り自宅で読んでいるシーンは、とても安らかっなひとときで、本ではなく好きなひとの本に興味があったからだと思った・・。でもドライマンの恋人クリスタのことが嫌いではないのはわかる。彼女の苦悩も救ってあげようとしていたから。
でもでも結局愛しているはずのドライマンを裏切るのはクリスタ、また女・・(-_-)自分が女優として生きていくために簡単に裏切ってしまうのよ(あっ・・ヴィースラーの誘導尋問の意図がわかっていた?いないよね?)。そして、危機一髪のドライマンを助けるのはヴィースラー大尉。最後までハラハラしたー。
東西の壁が崩壊した後、自分が監視されていたことを知り、なのに逮捕されないように報告書を作り救ってくれたヴィースラーのことを知るドライマン。その2年後、郵便を配達していたヴィースラーが見つけたドライマンの本、手に取ると「HGW XX/7(ヴィースラーのコードネーム)に捧げる」というメッセージが・・ああ、ヴィースラーが報われてよかった。「贈り物ですか?」と聞かれ「ぼくのための本」と答えるヴィースラーの表情がとても愛に満ちていた気がした。そんなわけで私は愛の物語として見たわ(*^O^*)
でもさぁ・・東西の壁の崩壊ってついこの前だったのよね。私はテレビで見たもの(^_^;)。
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『本年度アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『善き人のためのソナタ』で主役を務めたドイツ人俳優のウルリッヒ・ミューエが7月22日、胃がんのため死去した。54歳だった。』という記事が。ご冥福を祈ります(T.T)。