Blue Train

今朝、「僕のなかの壊れて〜」を夢中で読んでいたら地下鉄を乗り過ごした。落合・・ここには昔好きだったSくんの家があった。OLを辞めてデザインの勉強を始めた頃、銀座の画廊にOL時代お世話になった方の個展を見に行った、その帰りに知り合ったんだ。今はもうない小さなお店に寄ったときに友人らしい店員さんとサーフィン雑誌を眺めていた男の子に数分後、ソニービルの外にある公衆電話で家に帰るコールをしているときにまた会って、偶然の出会いにちょっとドキドキして、お茶しに行ったのがきっかけでおつきあいをはじめたんだった。もう社会人だったSくんの会社が銀座だったので、私はほとんど毎日銀座にいたっけ・・。気の遠くなるほどひさしぶりに落合の駅のホームに降りたら、目と口がとっても大きくて母が驚くくらい背が高かったSくんを思い出した。こんなに家から近かったんだ・・。私は彼とお母様の二人暮らしの落合の家に横浜からよく遊びに行っていた。リビングにちょっと変わった色のピアノがあって、ジャズのレコードがいっぱいあった。デートで行くことになっていたジャズフェスティバルに彼が仕事で行けなくなり、代わりにお母様がお弁当を作って来たときにはびっくりしたけれど、とても楽しかった。お誕生日にはネイビーのハイヒールをプレゼントしてくれたっけ・・私は?自分がしてあげたことはほとんど覚えていない(笑)。あっ父が持っていたコルトレーンのレコードを欲しがっていたので父に内緒であげたんだ。2年たつころ帝国ホテルのバーでプロポーズされた・・でも私は結婚なんて全く考えていなくて、あのときも新しい仕事のことで頭がいっぱいだった。それから約1年後に中華街でばったり会った。そのとき私は静岡から来た友だちカップルと横浜観光していたわけで、ちょうど友だちの彼氏が隣りにいたから、きっと私がその人とつきあっているって思ったかもしれない。あれから誰ともつきあっていなかったんだけどね。なんてことを思い出した。もうとっくに優しいパパになっているだろうなぁ。 私はあの頃のまま。ハイヒールも捨てずにある・・実家のどこかに(と思う)。